公明党 世田谷区議会議員 河村 みどり

議会質問

令和5年第2回定例会

2023年06月15日

河村みどり
 初めに、休日保育について伺います。
 私たちの生活を支えているサービス業に就き、毎週、休日保育を利用している保護者の方から、利用予約に毎回苦労している予約方法の改善を望む声をいただきました。
 現在、区における休日保育の予約方法は、希望する園にいまだ電話で申し込むルールです。先着順のため、慌ただしい時間の中で、予約スタート日の朝一番から何度かけるもつながらず、タイミングが合わず予約が取れない場合は、知人やシッターに依頼したり、仕事を休まざるを得ない不安定な状況が続いているといいます。
 現在、区の休日保育を実施している六園の利用稼働率は園によって差があり、定員を上回っている園や八割を超えている園については利用者に不便を与えている可能性があります。たとえ定員に空きのある園があっても、地域が離れて通えない場合や、そもそも空き情報の仕組みがないため、誘導すらできていません。
 就学前人口の減少傾向により保育を取り巻く状況の変化があるものの、多様化する保育ニーズについての課題は残されている現状です。一昨日、十三日、政府はこども未来戦略方針を決定しましたが、子どもを望む家庭にとって、子育てと仕事の両立を実現するための環境は大変重要と考えます。
 そこで二点質問いたします。一点目は、休日保育の予約方法について、速やかに電話予約から職員の事務効率化にもつながるLINE活用などのオンライン化を導入し、併せて空き情報など情報の見える化を進め、保護者の負担軽減、多様な働き方を支援すべきと考えます。区の見解をお聞きします。
 二点目は、予約が取れない現状について、休日保育を拡充するにも、予算や職員の確保など乗り越えなくてはならない課題があります。まずは、潜在的ニーズも踏まえ、休日保育の需要と供給のバランスについて調査、分析をした上で、予約が取れない地域の課題解消とともに、休日保育の充実を実現する施策を図るべきです。区の見解をお尋ねします。
 次に、高齢者の食の場の拡充について質問いたします。
三年前の令和二年第一回定例会において、高齢者のフレイル予防の観点から、歩いて通う会食の場の拡充を求めてきました。そして、今般、コロナ禍で浮き彫りとなった社会で孤独を抱える人や孤立する人を支援するための孤独・孤立対策推進法が来年四月一日に施行することが決まり、その予防と適切な支援を国、自治体において総合的に推進していくこととなります。
 令和五年四月現在、区の高齢者の世帯は、ひとり暮らし高齢者と高齢者のみ世帯で七二%との現状から、身近な地域で食を介したコミュニティーの場は、まさしく高齢者の孤立、孤食を防ぎ、健康寿命延伸や見守りの効果が期待でき、区として積極的に取り組むべきと考えます。
 区では、長年、六十五歳以上の高齢者を対象とした会食サービスの事業に取り組んできましたが、住民ボランティアの高齢化による担い手不足のため、年々減少し、平成二十一年には三十七団体が活動していたところ、現在は二十団体となり、この十四年で約半減をしています。しかし、その一方で、同じ食を介している区の子ども食堂は、社会福祉協議会からの補助金の支援も後押しとなり、平成二十七年度の四団体からこの八年間の間に六十八団体まで広がりを見せています。
 ここで二点質問いたします。一点目に、先日も、地域で子ども食堂に携わっている方から、高齢者のための会食を始めたいとのお声がありました。課題となっている担い手の確保について、従前から求めているように、高齢者だけでなく現役世代の確保の可能性を探っていくべきです。また、開催場所においても、例えば公営住宅などでひとり暮らし、高齢者のみ世帯が多い地域など、必要としている地域に広げられるよう区自らが積極的に働きかけるべきです。区の見解をお聞きします。
 二点目に、高齢者の食の場には、外食サービスのほか、多世代食堂や社協のミニデイ等のボランティア団体も活躍しています。地域包括ケアの観点からも、これらの地域資源を地域に広げるために、社協の地域資源開発事業において、担い手の確保や会場の開拓などを行い、空白地域や地区のニーズを捉え、高齢者の食の場づくりを推進すべきと考えます。区の見解をお聞きいたします。
 次に、未就学児の療育の場について伺います。
 区立総合福祉センターで行っていた児童発達支援事業の機能が区保健センターと東京リハビリテーションセンター世田谷内のぷらみんぽーとに移行され、四年が経過したところです。その療育支援を行っているぷらみんぽーとでは令和五年三月現在の登録数が約七百人となっており、その現状から、療育の通所回数は週に一こま、また、月一こまの場合もあるとお聞きしています。
 これまでぷらみんぽーとに週一こまで療育中の保護者の方からは、もっと手厚い療育の場を望む声をお聞きしました。その一方で、各地域で療育を担っている児童通所施設では定員の空きが生じているケースもあり、事業者からは厳しい現状の訴えも届いています。
 療育が必要とされた場合、児童通所施設の利用日数は一か月に二十三日まで利用可能となっており、ぷらみんぽーとと地域の通所施設との併用も可能です。利用者ニーズによる施設の選択があるものの、活用できる療育の場があるにもかかわらず、情報不足により、利用者側にも、事業者側にも不利益の懸念が考えられます。事業の移行から四年余りでもあることから、区は地域の児童通所施設の充足状況を分析し、さらなる児童発達支援事業の充実を目指すべきではないでしょうか。
 その上で、地域の児童通所施設の稼働状況の見える化など連携強化を進め、区保健センターやぷらみんぽーとが的確な情報提供とともに、コーディネートを実施し、支援を必要としている家庭につなげるべきと考えます。区の見解をお聞きいたします。
 次に、バス停へのベンチと上屋の設置促進について伺います。
 高齢者の外出を助けるベンチのニーズは高まる一方ですが、既存のバス停においては、道路幅員等の設置条件からも思ったように推進ができないといった課題があります。また、バス停の上屋についても、雨を避け、近年の温暖化による熱中症対策としての役割を果たしており、ベンチとともに設置促進は大変重要と考えます。
 そこで、今後、新たに整備される道路や開発される公有地に隣接しているバス停においてはベンチと上屋設置の絶好のチャンスと捉え、まちづくりの中でさらに推進を図るべきと考えます。
 そんな中、二か月前、長年工事中だった上祖師谷地域に補助第五四号線が開通し、千歳烏山駅~成城学園前駅間のバス停の位置の移動に伴い、これまであったベンチと上屋が設置されず、地域の高齢者から設置の声が届いています。たとえ都道であったとしても、区民が利用するバス待ちの環境レベルを低下させてしまったことは非常に残念です。
 ここで二点質問いたします。一点目に、新たな道路整備においては、管轄外としても都や国、バス事業者に区として積極的に働きかけを行うべきです。また、この上祖師谷地域の本事業区間については一部未整備となっていることから、今後の整備区間における推進とともに、今回、移動したバス停への設置についても改めて都と事業者に要望することを求めます。区の見解をお聞きします。
 二点目に、新たに開発を予定している公有地についても、隣接しているバス停がある場合など、例えば北烏山七丁目緑地の整備なども設置の可能性が期待されます。また、民間においても、例えば商業施設などの建設に伴っての御協力の可能性も考えられます。各関係所管との連携を取り、このような開発をきっかけにしたまちづくりの中で推進を図るべきです。区の見解をお尋ねいたします。
 以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)

松本 子ども・若者部長
 私からは、休日保育について二点御答弁いたします。
 初めに、予約方法についてです。休日保育は、区内の保育施設を日頃利用している保護者で、日曜日や祝日に就労のため家庭で保育ができない方を対象に区内の私立認可保育園六園で実施しております。利用に当たりましては、利用月の前月一日から二十日までの間に保育園に電話で申込みを行います。施設によって利用状況に差はありますが、利用が多い園では受付開始の午前九時から予約の電話が集中し、すぐに予約が埋まってしまう状況もございます。
 予約システムの導入により、保護者の利便性向上と園の電話対応の負担軽減につながることが期待できます。区のシステムを私立保育園に利用させる場合、個人情報の取扱いといった課題もございますが、導入に向けた具体的な手法について検討を進めてまいります。
 次に、休日保育の充実についてです。休日保育は、当初は民営化園五園で開始いたしましたが、令和元年七月に実施園を一園拡充しております。利用状況は施設によって差がございますが、キャンセル待ちの方が繰り上げで利用できる場合もあるため、利用率の平均は約八〇%となっております。
 将来人口推計におきまして、今後しばらくは就学前人口が減少していくことが見込まれております。また、子育て中の従業員の日曜勤務への配慮など、就労環境の変化による需要の変化も注視していく必要がございます。一方、休日保育の実施には多くの保育士が必要であり、保育士不足の中、実施園や受入れ定員をさらに拡充することは容易ではない状況もございます。現状、定員に余裕のある園もありますことから、予約状況の見える化などにより地域偏在の解消を図り、現在の運営体制の下、引き続き利用状況の分析を行いながら、休日保育を必要としている御家庭に保育が提供できるよう工夫してまいります。
 以上です。

山戸 高齢福祉部長
 私からは、高齢者会食サービスの拡充について御答弁をいたします。
 高齢者会食サービスは、ひとり暮らし高齢者等に対し、ボランティアの協力団体が調理した食事を地区会館などで提供することで高齢者の地域との交流や孤独感の解消を図るとともに、健康保持と介護予防につながることを目的としております。
 なお、協力団体の担い手の高齢化が進んでいることから協力団体は減少傾向にあり、御指摘のように、令和四年度末で二十団体となっております。一方、この四月に会食サービスの活動廃止を決定した協力団体の運営を世田谷区社会福祉協議会が調整役となり、子ども食堂の運営団体が引継ぎ、活動を継続できた担い手継承のロールモデル的な事例がございました。
 区としては、このような事例も参考に、今後、各地区の状況も踏まえ、地域活動の多様な担い手の育成を行っている社会福祉協議会と連携、調整を行い、子ども食堂を運営している団体を中心に新たな担い手の発掘に努めるとともに、活動場所についても、地域資源の有効活用が図れるよう関係所管と調整するなど、人と人とのつながりを実感できる会食の場の拡充に取り組んでまいります。
 以上です。

田中 保健福祉政策部長
 私からは、食の場づくりの支援について御答弁いたします。
 コロナ禍において高齢者の外出する機会が減少したことを踏まえ、地区での地域資源開発において、サロンやミニデイなど人々が集うことができる活動への支援は、より一層重要であると認識しております。会食を伴う活動は自粛されていた傾向にあるため、アフターコロナを見据えて、お話しの孤立や孤食の防止からも、身近な地区で食事も共にする活動が活発に行われていることが望ましいと考えています。
 このような社会状況下において、子ども食堂を実施している団体がひとり暮らしの高齢者も参加できる多世代型に切り替えるなど、新しい動きも出てきております。先ほど御答弁した高齢者の会食サービスの取組とともに、誰もが参加できる多世代型の食堂など様々な活動が地区で広がるよう、四者連携の下、地区のニーズを的確に把握し、社会福祉協議会を中心に地区の資源開発を進めてまいります。
 私からは以上です。

須藤 障害福祉部長
 私からは、未就学児の療育の場について御答弁申し上げます。
 区では、乳幼児健康診査などを受診された子どもの発達や発育が気になる様子がある場合、その相談や専門的な助言を保健センターの乳幼児育成相談が行っております。乳幼児育成相談では、相談、専門評価の上で継続的な支援や療育が必要と判断した場合には、うめとぴあにある児童発達支援事業所のぷらみんぽーとなど、療育につなげ、さらに引き続き療育を行う必要がある場合には、保護者の不安などを十分にお聞きし、地域の事業所を紹介しております。
 療育が必要な御家庭に支援の情報を届けるためには、関係機関が連携、情報共有した上で、施設の利用状況などの情報を見える化することが重要であるというふうに認識をしております。また、こうしたことが施設の利用率向上にもつながるものと考えております。
 今後、発達に不安がある子どもやその家族が地域で安心した生活ができるよう、未就学児を支援する事業所間の情報共有の場を新たに設けるなど、拠点と地域の支援施設のネットワークを強化するとともに、支援の必要な保護者に対し適切な情報が伝えられる体制づくりを進めてまいります。
 以上です。

青木 道路・交通計画部長
 私からは、区道以外の道路におけるバス停ベンチ、上屋の設置の要望に関する御質問についてお答えいたします。
 都市計画道路などの新設道路が整備されると、安全な歩行者空間並びに路線バスが通行できる歩車道分離された道路空間が確保されます。都市計画道路補助第五四号線の上祖師谷二丁目の榎交差点から成城通りまでの事業区間は東京都が施工者として事業に取り組んでおりますが、今年四月に榎交差点から駒澤大学グラウンド付近までの区間で道路が開通し、バス路線も変更されたところでございます。
 補助第五四号線へのバス停上屋の設置につきましては、バス事業者に確認したところ、歩道の地下空間に電線類などの埋設物が錯綜しているため、上屋の柱を設置することは難しいと伺っております。一方、バス停ベンチの設置につきましては、歩道を歩く歩行者の安全を確保するため、都の設置基準によると、ベンチ設置後の有効幅員が一・五メートル以上必要となっており、設置が可能か都に問合せをしているところでございます。
 世田谷区といたしましては、バス事業者及び道路管理者である東京都などに対し、道路整備の事業進捗も伺いつつ、都道におけるバス待ち環境の整備について働きかけてまいります。
 以上でございます。

和田 烏山総合支所長
 私からは、バス停へのベンチと上屋の設置促進について、北烏山七丁目緑地などのまちづくりについて御答弁いたします。
 北烏山七丁目緑地に接している区道、烏山通りにあるバス停は、現在、ベンチは設置されているものの、上屋はなく、時間帯によってはバス待ちの方で歩道を塞いでしまう傾向があるなどの課題があると認識しております。
 今後、進めていくみどりの拠点整備において、バス待ち環境の向上と歩行者の安全性の確保など具体的な検討につきましては、みどり33推進担当部と連携し、地域の皆様との対話を重ねながら進めてまいります。
 区といたしましては、このような大規模な土地利用の転換などの機会を捉え、関係機関などとも連携し、バス待ち環境の向上を含めた安全で快適な移動を実現していくとともに、地域の資源である緑の保全や防災機能等の向上など、緑地を活用した魅力あふれるまちづくりを進めてまいります。
 以上でございます。

河村みどり
 ありがとうございました。休日保育につきましてはぜひ速やかに御検討いただき、オンライン化、デジタル化の早期実現をぜひともお願いしたいと思います。
 ここで一点再質問させていただきます。高齢者の食の場についてです。子ども食堂が区内に広がり、孤食の課題など、子どものセーフティーネットが大変進んできたことは、運営団体の皆様に感謝でございますし、高く評価できるところです。その運営の後押しには、都社協のほか、区社協の独自の補助金もあり、大変大きな支援となっております。
 現在の物価高騰の中、僅かな補助金でミニデイ等の高齢者の食の支援を行っている団体もありますが、高齢者の食の場を広げるためにも、子ども食堂並みの区独自の補助金を導入するなど、安心して運営できる仕組みが必要と考えますが、御答弁をよろしくお願いいたします。

山戸 高齢福祉部長
 高齢者の食の場の補助の拡充について、再質問にお答えいたします。
 区は現在、世田谷区社会福祉協議会が実施しているふれあい・いきいきサロンや支えあいミニデイ等の地域支えあい活動に対して補助をしております。
 支援のさらなる拡充につきましては、社会福祉協議会とも、今後の地域支えあい活動の在り方も含めて情報交換をしてまいります。
 以上です。

河村みどり
 ぜひ高齢者の食の場、区がしっかりと推進していただきたいと思います。
 以上です。