令和4年予算特別委員会
予算特別委員会4日目 令和4年3月15日 福祉保健所管
質疑内容
①オストメイト支援について
昨年の第一回定例会で取り上げた一時的ストーマの助成について
大腸がん、クローン病など、治療の一環による一時的な人工肛門の造設によって、身体障害者手帳を取得できない場合、日常生活用具給付の対象とならないため助成が受けられず、医療保険が適用されないストーマ装具の月1万円程度の自己負担について、区民の切実なご相談から区独自で助成すべきことを求めてきた。
②高額障害福祉サービス等給付について
肢体不自由のお子さんが利用している障害福祉サービスの利用料金について保護者の方よりご相談をお受ける。そのお子さんが利用している障害福祉サービスは、小学校の登下校時の「移動支援サービス」「放課後等デイサービス」、また在宅でのケアのため「居宅介護サービス」と3つの事業を利用。昨年、決定した障害福祉サービス等の利用者負担上限額の認定により、利用額が大幅な増額になってしまい、支払いについての窮状を訴えられる。
質問1この障害福祉サービスによる利用者負担、またそれに伴う高額障害福祉サービス等給付の仕組みを聞く。
答弁 高額障害福祉サービス費等給付費制度については、同じ世帯に、障害福祉サービスや障害児の通所・入所支援等を利用している方が複数いる場合などに、1か月の利用者負担額の合計が世帯の上限額を超えた場合、超過した金額が利用者の申請により償還される制度である。収入がある世帯については、収入に応じた負担があり、月額に世帯の上限額が設けられている。世帯の上限額については、障害児がいる世帯は特例措置が設けられており、世帯の住民税所得割額の合計が28万円未満の場合、在宅で生活する児童がいる世帯は月額4,600円、施設に入所する児童がいる世帯は月額9,300円となり、住民税所得割額が28万円以上の場合は、月額37,200円が上限となっている。
質問2高額障害福祉サービス等給付として、このお子さんの場合、111,600円の負担額のうち、3分の2の74,400円が償還され、実際は37,200円の負担となる。しかし、負担軽減策にもかかわらず現在の区のシステムによると給付されるのが6か月後になり、ある意味6ヶ月もの間、立替えが続く状況となっている。どうして6カ月もの時間を要してしまうのか。
答弁 利用者への支給については、利用者の自己負担分を除く費用を事業所が都の国保連へ請求し、国保連で審査した後、区が再審査して費用を確定する。その後、区から利用者に申請を促す勧奨通知を送付し、利用者からの申請を受けて支払う仕組みとなっており、支給までに6か月を費やしている。
質問3障害を抱えている方の日常生活で欠かすことのできないサービスにおいて、2区分の認定区分の狭間で高額な負担を工面しているご家族にとって、スムーズな給付こそ必要な支援である。区のシステムの改修を図るなど、区ができることをしっかり探り、その上でおおもととなる都の国保連へ問題提起し改善を図るべき。
答弁利用者の負担軽減に向けて、区のシステムの改善の可能性について開発業者と相談するとともに、事業所に対して、ミス発生の軽減に向けた注意喚起を行っていく。また、都の担当所管や他区とも、現状の問題について情報共有していきたい。
③区の産後ケア事業の活用について
区の産後ケア事業の対象者は、産後4カ月未満の母親と子とあり、母子同伴のサービスです。
医療的ケアを必要として誕生したお子さんは数か月間、NICU(新生児集中治療室)に入院を余儀なくされ、現状での産後ケアセンターを利用できる環境が整うことがほぼ不可能と考えられる。現在の産後ケアセンターでは、母親一人での利用は認められておらず、わが子と利用することができない母親はそもそも対象になっていないが、母親は一人で退院後、新生児を抱える母として毎日病院に母乳を届けるなど母乳のケアなど様々な産後の不安を抱えており、医療的ケア児を抱えている母親でも助産師に適切な指導を受けられるべき。
質問1区の産後ケア事業において、母親一人での利用が可能になるよう明確に位置づけを要望する。
答弁今後、事業者とも協議しながら、医療的ケアが必要な児の母のみの利用について検討する。
質問2医療的ケア児のご家庭をはじめとし、産後ケアを受けたくても様々の理由から施設に赴くことが出来ず、現在区が行っている宿泊型、デイケア型ではサービスが受けられない方々がおられる。厚生労働省が平成29年に策定した産後ケア事業のガイドラインには、宿泊型、デイケア型のほか、アウトリーチ型の3類型の実施方法を示しており、23区の複数の区が実施しています。区においてもアウトリーチ型の産後ケア事業に踏み出すことを求める。
答弁令和4年度のプロポーザル方式による区立産後ケアセンター事業者選定の実施に向けて、アウトリーチ型の支援のあり方も含め、より効果的な産後ケア事業の展開を検討する。